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「考えたこと」を文字にしようとこころみるブログです/宝塚の話が多めです/でも興味はひろく/観た映画の話もしたいです/パンドラの箱はもうあけてあった

<宝塚>♩ドン・ジュアンとマリーア!

おはようございます。

わたしは、宝塚雪組ルパン三世をみました。星逢一夜をみました。

でも、るろうに剣心は見られなかった。

しかしながら、今回望海風斗さん主演の、梅田芸術劇場ドラマシティ・ホール公演「ドン・ジュアン」を見たよー!!

kageki.hankyu.co.jp

 

・望海さんがめちゃくちゃ歌うし踊るし床に伏せる(望海 風斗(Futo Nozomi) | 宝塚歌劇公式ホームページ)。源太の時よりだいぶ剣が立っていました。よかったね。

・望海さん演じるドン・ジュアンは彩みちるちゃん演じるマリア(彩 みちる(Michiru Irodori) | 宝塚歌劇公式ホームページとの愛を見つけるまではかなり自暴自棄で若干いかれたご様子でさえあるのですが、そのおかしい感じが絶妙にうまく感じました。ルキーニのときもよかったけれどそれ以上にすごく合っていたようにおもいました。

・楽曲がどれもすごくよい。

・なんとなく小池先生作品のような雰囲気がある(今回は潤色・演出生田大和先生です)

・有沙瞳ちゃん演じるエルヴィラ(有沙 瞳(Hitomi Arisa) | 宝塚歌劇公式ホームページがすごく美しい。他にでてくる女の人はほとんど色を売っているひとたちであるなかで、肌をみせず黒いショールをまとって髪を固くまとめたエルヴィラの装いが、逆にたいへん素敵にみえました。

・美穂さん(美穂 圭子(Keiko Miho) | 宝塚歌劇公式ホームページ)がでてたから嬉しかった…しかも激情のときの花ふさ(漢字でてこない)まりさまのお衣装だった(と思う)…

・マリアの衣装も登場シーンの衣装は激情のものだとおもいました、あとマリアのお友達の衣装が激情のメルセデスの衣装だったとおもいました

・フラメンコをおどるのもステキ

 

舞台は、ドン・ジュアンの放蕩をこれでもかと見せつつ、マリアへの愛に目覚めたドンジュアンの、しかし呪われた結末に向けて進んでいくのですが、正直最初にみたときは(今回幸運にして2回みました)、話が急展開過ぎるような気がいたしました。マリアを好きになるドン・ジュアンの心の動きが、本心なのか、それともこの恋心自体が亡霊に仕組まれたことなのかあんまりよくわからなかったです。加えて、あくまて私見ですが、ドン・ジュアン32歳位、エルヴィラ27歳くらいにみえ、咲奈ちゃん演じるドン・カルロ彩風 咲奈(Sakina Ayakaze) | 宝塚歌劇公式ホームページ)がまあちょっと若くて25歳位だとして、ドン・ジュアンの周りにいる女の子たちも30代のお姉さん方という向きがつよいのに、マリアは16歳くらいにみえました。作品の大人な雰囲気からすれば、すこしヒロインが若すぎたような…わたしは役者の年齢自体を全体的にあげて、エルヴィラを舞咲りんさん(舞咲 りん(Rin Maisaki) | 宝塚歌劇公式ホームページ)、マリアを有沙瞳ちゃんか今回はいらっしゃらなかったけれど星乃あんりちゃん(星乃 あんり(Anri Hoshino) | 宝塚歌劇公式ホームページ)あたりにしてもいいのではないかとおもいました。未婚のうら若き乙女たちが構成する宝塚のあり方からははずれていくのかもしれませんが。

ただ、今回二度めをみて、この舞台は、多くの観客が、愛や夢にあふれた宝塚のファンである舞台でありながら、そして、話自体も本当の愛を見つける話でありながら、愛があることが自明ではない世界の話なのだと思いました。

私はだんだん大きくなって十分大人の歳になってしまったタイミングで宝塚に出会いましたが、その時期もなお心の中に少女が住んでいて、でもいい加減そんな少女のいることは隠しておこうと思っていた頃でありました。でもそういう夢みたいな愛みたいなものを銀橋に全員がキラキラならんで全肯定してくれる宝塚よ…私は蘭寿とむさまのオーシャンズ11が宝塚初見ですが、あれをみたときに、そういう少女のいることを全然恥じることはないんだなと思った記憶があります。だから、宝塚の舞台であるドンジュアンも、愛の在ることは自明のものとしてみていたのですが、実際はドンジュアンにはひとを愛する気持ちはマリアに出会うまではない。マリアが、ドンジュアンに二人の世界が偶然交わったんだわ的なことを言うシーンがあり、私は最初は身分の違いを言っているんだなと思っていたけれど、そうじゃないなと、マリアの言っている世界は、暗に、愛の自明である世界とそうじゃない世界のことを言っているのだなと思いました。さすが生田神だね。

でもあなたは最後にちゃんと気づいていたから、そこからやり直せばよかったんだよ。すぐに正しい在り方をとれなかったとしても、少しずつ練習すればよかったのよ。ひどく切ないお話でありました。

Fini