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「考えたこと」を文字にしようとこころみるブログです/宝塚の話が多めです/でも興味はひろく/観た映画の話もしたいです/パンドラの箱はもうあけてあった

<映画>can we start over again?(ルビー・スパークス鑑賞感想)

大学生だったときわたしは自分に人生経験のないこと・少ないことに恐怖していた。というのも、小さいときから読書は好きだったように思うが(95%は小説)複数の本にときおりあらわれる「人間の人格は25歳までに完成してしまう。その後は変えようとおもっても変えられない」等といった言説が恐ろしく、25歳までにスーパーキュート・ミラクルハッピーかつファンタスティックなサムシングにならなければという焦りがいつもどこかにあったからだ。実をいうと今もあります。

そこで(ここにはちょっと飛躍があるけど(1)自分で全部をリアルに体験するのは間に合いそうにないから(2)わたしの思うぼんやりとした理想を体現しているようなひと・それにちかいひとは映画をよく観ているひとに多かったという理由で)わたしは映画を観ることに自分の時間と体力を傾け始めた。

そんな中で、ミランダ・ジュライが脚本を書いた"are you favorite person of anybody"(Amazon.co.jp | Wholphin No.1 ~UNKNOWN FILMS~ [DVD] DVD・ブルーレイ - アルゴア.セルマブレア.ジョンCライリー, スパイクジョーンズ 他) を観た。この白黒作品の印象は結構強烈で

*** 以下"are you favorite of anybody" 及び"ルビー・スパークス"のストーリー展開・結末について言及します ***

道行く人に「あなたはだれかにとってのお気に入りのだれか?」と聞いていくという短編なのだけど、聞かれたひとたちはみんなちょっとずれた(と思える)回答をしていく。ずれた、と思うのは、ずれていない答えというのが前提としてあって、それはいわゆるパートナーであったり血縁関係等があってさらに強いつながりを感じられる相手だったりすると思う。でもよくよく考えれば交際している相手が本当に自分のこと気に入ってるかってわからないし、血縁関係あるからって、親だからって、子どもだからって相手が自分のこと気に入っているかなんてイコールなわけないのだ。直接お気に入りだよ☆って言われることそうそうないだろうし言われていても不安よね。

このあとミランダ・ジュライの『いちばんここに似合う人』(Amazon.co.jp| いちばんここに似合う人 (新潮クレスト・ブックス)| ミランダ・ジュライ, 岸本佐知子| 本| サ行の著者)を読んで、さらにミランダ・ジュライは、壁紙をはがしてくるひとだ、のぞむ姿とはずれたほんとうのことを見せてくるひとだと思っていたのです。

さらにいえば今回観たルビー・スパークスミランダの脚本だと思っていたのです。

勘違いだったわ。ハッピーエンドで終わったからあれって思ったの。これはミランダの終わり方じゃないわね。

実際はリトル・ミス・サンシャインの監督(映画「ルビー・スパークス」公式サイト| 20世紀フォックス ホームエンターテイメント)の作品でした。

サンシャインでもミス・アメリカだかが主人公に「でも本当に好きなのはチョコレートのアイスよ」っていってにっこりするの(このミス・アメリカのにっこりが本当にステキなの)壁紙をはがすという点ではミランダと一緒だけれど、こっちはのぞむ姿としての隠れたほんとうのことを見せる点で違いましたね。ルビーとカルヴィンも最終的にはカルヴィンがルビーを解放して対等な立場に立って(のぞむ姿)それでもお互い惹かれあってもういちどやり直せるエンディング。

ひとのきもちにいぶかしげなわたしは、そしてえみちゃんねるを幼少期より観すぎたわたしはどうしてもミランダの方向に引っ張られていってしまうけど、ときどきはルビー・スパークスみたいな映画を観るのも悪くないなと思いました。

 

あとは箇条書きに

リトル・ミス・サンシャインにひきこもりのお兄ちゃん役ででていたポール・ダノ(主人公カルヴィン役でした)がめっちゃ大きくなっている。あごがあんまりない。

・バックトゥザフューチャーのアインシュタインを彷彿とさせる犬。

・ヒロインのルビーがレースのついていないカジュアルな下着を着ていてそれがかわいい。目の色もとっても刺激的な色。サファイアって名前にしたいけどルビーもいい。

・エンディング、いいシーンで、というかいいシーンかどうかはわからないけど前のシーンの影響を受けてわたしは泣いているんだけど、カルヴィンがルビーのしいていたピクニック用のシートに土足であがっており、西洋ではピクニック用のシートに土足であがるのか、ピクニック用のシートには縄張りという意味しかないのかと非常に気になった。