<宝塚><内心>エリザベート白昼考察
ナウオンステージ(宝塚専門チャンネルで、公演中の組の生徒さん(トップコンビとその周りや専科のひと6人ほどのときが多いです)が公演について語る番組))で蘭ちゃん(トップ娘役蘭乃はなさん・今回は主人公のシシィ(=エリザベート)が、お父さん役のまりんさん(悠真倫さん・花組出身の専科さん(専科は特定の組に属していなくて色々な公演に出張します))が優しいって言ってた
でも、シシィ父が結婚パーティーで♩けっこーーんはーーーしっぱーーいーだーおろかーなせんたーーくーだーーーっていい声で歌ってるときあれぞっとするよね、トートのがよっぽど直情径行でキュートよね
ゾフィが結婚反対するのはわかるけど、シシィにとって1番親しみやすい肉親であろう父があれじゃまずいやろ わかってんやったら止めたりーやと思ってしまうのですが、あれは… わたしは脳内エリザベート再生を停めて考え始めた…ゾフィとフランツがシシィとルドルフの対になってるのはわかる…両方母親と分ちがたくむすびついている(少なくともそう希望している)のだ
でもそれ以上に父とシシィ、シシィとルドルフは対になってる 父は多分お母さんが音頭とってるあの家で窮屈な思いしてて、旅行や狩猟ににげている、多分家族の中での役割もたいしてない そしてヘレネのお見合いのときもシシィの結婚のときもとても無責任だ
シシィもルドルフをゾフィから取り返したのに、結局こどもを放置しつづけるよね、シシィにもシシィの事情があっただろうけどシシィが自分で自分の庇護下にいれたお子が猫を殺すまでになってたらちょっと目かけてあげなきゃいけないと思う でもシシィはお城にとどまれず無責任にルドルフを放置してしまう
父娘・母子とも結局同じタイプの人間が再生産されている、そして同じ過ちを繰り返している これがまず一点
次に、トートは黄泉の帝王なのにシシィの気持ちすら読めず何回もでてきて歌って退散してる 変装はうまいのに…もうそろそろ気持ち傾いてるとか死神の力で分からないのかという気持ちにみてるとだんだんなってきますね(「春の雪」(三島由紀夫原作)の清顕くんを思い出してしまうよね…この役も宝塚の舞台ではみりおくん(現花組トップスター!男役明日海りおさん)でした
経験則を用いればトートにそういうめだった力はないっていうこともできそうですね
…ねえこれはトートにそういう力はきっとないね?
ルキーニは「イタリア人、テロリスト」だから自分の皇后殺害をテロルととらえている、革命とまではいわないけど事変ではあってほしいわけ 事変を起こしたらテロリスト(シシィをねらってるから無差別な攻撃を想起させる「テロリスト」より「計画犯」って言葉のがしっくりくる気がするけど)でしょ だからトートを持ってきて偉大なる愛がおこした事変だって主張してる でも(トートがルキーニの心の中の産物でも実際に死神でも)トートは惚れたおなごの気持ちもちゃんと読めないような感じなんですよもはや清顕くんに近い
ってことは、トートは多分夕暮れ時の結婚式を挙行させることも市民を蜂起させることもできないよ ハプスブルク家が没落していったのは、あの(ウィーン版ではトートよりルキーニの話だとききました・宝塚ではトートとシシィの愛に重きが置かれているらしい)宝塚による劇中でさえ、トートの力によるものではないのではないかしら 同じ過ちを繰り返す人間の再生産が招いた没落ではないかしら この世の変化っていうのは常にひとつの事変によって起こるのではなくておおきな時のうねりのなかでおこるのではないかしら!(ここらへんは坂口安吾さんの受け売り) でもルキーニはテロリストだから、おれの、起こした、テロ、そのひとつの事変によってフランツとシシィは永遠に引き裂かれトートとシシィが結ばれる即是栄華を誇ったハプスブルク家が女神を失い実質上消滅するって考えたのではないかな! 違うかなー
こういうふうに考えれば最後のいつのまにか白いお召し物に着替えたトートとシシィが、どこまで上のぼっていくネン〜シシィめっちゃ若くなってるしめっちゃ笑顔!トートのこと散々嫌がってたのに!まあみりおちゃん綺麗からえーけど…って最後こっちはややぼんやりしてしまうのがスッキリするのではないでしょうか 結局トートとシシィのこれまでも全て、二人が抱き合ってのエンディングもぜーんぶ幕がおりるまで全部ひとつの事変で世界をかえれると思ってるテロリストとしてのルキーニの妄想なんじゃないでしょうか ってことは我々は二時間半ルキーニの妄想が作り上げた虚構の中に取り込まれるってことになるよね そして少なくとも今回の公演ではルキーニは望海さん(花組男役望海風斗さんわたしの一番応援してるジェンヌさんキラッ)よね
ふふっ最後まではいわないわ
至高
グランドアモーレ
fini
(I will translate this to English later)